Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
標本情報
個体No.1(メス)
回収時の状況
死体回収(ロードキル or バードストライク)
採取地
神奈川県松田町
測定値[mm]
初列風切:22(P10) – 63(P6)
次列風切:47(S6) – 47(S1)
三列風切:28(Te3) – 42(Te1)
尾羽:66(T1) – 68(T4)
省略記号と羽の順番
標本に記載している省略記号と羽の順番については、こちらからどうぞ。
ジョウビタキについて(簡単に)
日本の冬を代表する渡り鳥、ジョウビタキです。
秋が終わりに近づき、いよいよ寒くなってくる頃、日本中の野鳥ファンが彼らの渡来を楽しみにしています。
この頃のTwitterタイムラインはジョウビタキの初認情報で賑わっていて、その人気ぶりが伺えます。
ジョウビタキ♂今季初認です@大阪 pic.twitter.com/UIrmcHkAV1
— るるる~♪@ぼちぼちペース (@natunoumi) October 15, 2020
ジョウビタキ初認! pic.twitter.com/Sv2IF2WrK8
— 小柴 (@bogen548) October 31, 2020
(フォロワー:るるる〜♪さん、小柴さん、引用させていただきましたm(_ _)m。問題ございましたら連絡ください。)
日本では冬にしか見られない鳥でしたが、近年では局地的に繁殖している所もあります。
八ヶ岳山麓が繁殖地として有名で、夏場に普通に見られました。
ジョウビタキの幼鳥を見つけた時はとても感激したのを覚えています。
そんなジョウビタキ、管理人も大好きな鳥です。
ふっくらとした姿とグリグリの目が可愛らしくて、なんとも愛おしい。
わざわざ遠くに見に行かなくても身近な環境で見られる点も愛されポイントかと思います。
実は私を野鳥の世界に引きずり込んだ、愛すべき鳥の一種でもあります。
羽標本の観察
それでは羽標本を見ていきましょう。
この羽標本はメスのものです。
メスの風切羽はグレーがかった濃褐色で、内弁の縁はクリーム色です。
ジョウビタキの紋付
次列風切と三列風切にはクリーム色の斑や帯が入り、これがジョウビタキのアイコンである「紋付」を形成しています。
紋付きはメスよりもオスの方が大きいです。
また、オスの紋付きは鮮やかな白。
私の手元にオスの羽が無いので紹介できませんが、風切の白帯はオスの方が太くて白いです。
原寸大写真図鑑羽 増補改訂版では雌雄の羽が掲載されています。
この図鑑は原寸大写真なので羽の検索はとてもやりやすくお勧めです。
尾羽
尾羽は基本的に橙色ですが、実は中央尾羽(T1)と最外尾羽(T6)の外弁だけは焦茶色になっています。
紋付だけで無くこんな隠れた場所にもお洒落に着飾っています。
このお洒落なツートンカラー、飛んでいる姿や、
止まっている姿でもその様子が分かりますね。
私の個人的お気に入りの羽はこれ。上尾筒(※)です。
(※尾筒は尾羽の根元を覆っている羽で、上尾筒はその上面側。)
上半分が橙色で、下半分は濃いグレー。このコントラストが素敵で気に入りました。
ジョウビタキの体羽の下側(皮膚に近い部分)は大抵この濃いグレー。
羽繕い中にもその様子が見られます。
他種との比較
ジョウビタキの生息環境と重なっている鳥の羽と比較してみましょう。
大きさの近い、スズメ、シジュウカラ、クロジの初列風切を並べてみました。
スズメとシジュウカラは大きさがかなり似通っています。
色ではスズメが似ていますが、スズメの方が羽縁の褐色が強い事で識別できます。
シジュウカラは褐色は入らず、白黒なので大丈夫でしょう。
クロジは一回り大きく、一様に濃いグレーです。
↓スズメの羽標本はこちら
↓シジュウカラの羽標本はこちら
ちなみに、羽根識別マニュアルでは、同じヒタキ科の中で色や形が似ているコマドリやオガワコマドリ、オオルリ(メス)などが比較されています。
類似種の羽の比較の際には、この図鑑が良いですね。
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参考文献
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