【羽標本】キクイタダキ

キクイタダキ

生体の写真提供:公野俊道さん(はだの野鳥の会 幹事)

Goldcrest

Reglus regulus

標本情報

個体No.1

回収時の状況

食痕

採取地

群馬県北部

測定値[mm]

初列風切:-
次列風切:33(S6) – 41(S2)
三列風切:28(Te2) – 30(Te1)
尾羽:-

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日本を代表する小さな鳥、キクイタダキです。その体重が5g程度というのですから、たったの1円玉5枚分という事です。

高山の針葉樹林帯を帯を好む為、出会うチャンスは少ないのですが、日本最小という称号とその可愛らしい菊の冠も相まって、管理人のみならず日本中の野鳥ファンの憧れでしょう。

キクイタダキ

 

さて、羽標本を見てみましょう。

次列・三列風切

とっても小さい羽ですね。また、羽軸は柔らかく、羽弁はペラペラ。とっても華奢な羽です。

風切の色は白と黒に見えますが、外弁には黄色が入っており、ダイガース風なパターンです。

キクイタダキ_次列風切と大雨覆

 

大雨覆(おおあまおおい)は先端が黄色がかかった白で、これが翼を畳んだ時に見えている白い帯(翼帯)を形成しています。

キクイタダキの大雨覆

このパターンはシジュウカラと同じですね。

 

比較の為に、手持ちのスズメ目の中でも小さな羽を並べてみましたよ。全て次列風切です。

次列風切の比較(シジュウカラ、キクイタダキ、メジロ、スズメ、ウソ)

キクイタダキがダントツで小さいかと思いましたが、メジロもキクイタダキと並んで小さいですね。シジュウカラやスズメはかなり格上の大きさで、ウソなんて倍くらいある感じです。

小鳥と一括りにして見てしまいがちですが、種によって案外大きさが違うものです。

 

このキクイタダキ(個体No.1)の羽は、管理人がある登山道を歩いている時に拾ったものです。

雨上がりの木道にへばり付いているのを偶然発見したのです。一見すると枯草の破片のように雨に濡れてグチャグチャになっていましたので、その時は何の羽だか全く見当がつきませんでした。

家に帰って洗浄と乾燥をした所、とても小さな羽である事が分かり、原寸大写真図鑑 羽 増補改訂版と照合してキクイタダキだと判明しました。憧れの羽である事もあって、とっても興奮したのを覚えています。

こんな小さな羽は、きっとこの先拾う事が無いだろうなと思います。幸運な出会いでしたね。

 

 

今回のキクイタダキの生体写真は、私が大変お世話になっている、はだの野鳥の会の幹事、公野俊道さんにお借りしました。

キクイタダキは姿が小さいだけで無く、針葉樹の上層の辺りを好む性質から観察が難しいです。実は、管理人はまだその姿をはっきり見た事がありません。

公野さん、貴重な写真をお貸し頂き本当にありがとうございました。

 

 

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参考文献

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