前回は拾ったカルガモの翼を仮洗浄して、乾燥するところまでやりました。
今回は核心部、解体作業から再洗浄までやります。
解体
だいぶ綺麗になった翼を、羽標本にするために解体していきます。
翼はしっかりと乾いていて、皮や肉がカチカチに固まっています。羽を引っ張る位では抜けそうにありません。無理に抜けば羽を痛めてしまいそうなので、カッターナイフを使いながら、硬化した皮膚組織と羽軸を切り離す事にしました。
まず、解体する前に水に浸します。どれほど効果があるか分かりませんが、硬化した皮膚組織を少しでも柔らかくするためのおまじないです。
1時間ほど水に浸けた後、慎重に翼から羽を剥がしていきます。
羽軸の下の方の、羽柄(うへい)の脇にカッターナイフをあてて切り離していきます。
水を使うので、自宅のベランダでやりました。風が無い日だったので丁度よかったです。
羽柄はカッターナイフで簡単に切れてしまうので、切らないよう慎重に。
もう少し。ゴールはすぐそこです。
すべて解体できました。
こちらはいわゆる手羽先。掌骨と第一指骨、第二指骨、第三指骨が中に入っているはずです。
羽軸に残った組織はなるべく取り除きます。
無事に解体作業が終わりました。
そういえば、順番を全く気にしていませんでした。風切は順番通りに並べる自信がありますが、初列雨覆や下雨覆は分かりそうにありません。ちょっと失敗。でもこの作業をやりながら、順番まで気にするのは難しいので止む無しです。
理科室みたいな、広い作業台と流しがある部屋があるといいんですけどね。次の家を建てる時には理科室を作ろう!
そうそう、今回使用したカッターナイフはNTカッターの至って普通のものです。
カッターナイフは刃が薄いので、羽柄と羽柄の間を切断していく今回の作業には丁度良いです。
再洗浄
ばらばらになった羽には、まだしつこく土埃が残っていましたので、再度洗浄します。
水は給湯器から出てくる40度程度のお湯を使います。
そこに食器洗剤を少し入れてじゃぶじゃぶし、土埃を落とします。洗剤はシャンプーを使っても良いようです。そっちの方が羽には優しいのかもしれませんが、管理人はいつも食器洗剤でやっています。
綺麗になったら、洗剤が残らないようにしっかり洗い流します。
ちょっと脱線しますが、もし羽の羽軸が折れ曲がっていたものがあっても、この洗浄の工程でだいたい元に戻ります。理由は分かりませんが、水分とある程度の高温を経験すると、不思議と曲がった羽軸が復元するんです。
曲がった羽を持っている方、是非お試しください!
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参考文献
- 鳥のフィールドサイン観察ガイド、箕輪義隆、文一総合出版
- 原寸大写真図鑑 羽 増補改訂版、叶内拓哉・高田勝、文一総合出版
- 野鳥の羽ハンドブック、高田勝・叶内拓哉、文一総合出版
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