イントロダクション
管理人のマイフィールドにある田圃地帯を歩いていたある時、こんなものを見つけました。
何でしょう?
おおー!翼だ!
完全では無いけど結構羽が残ってる。翼鏡の感じと大きさからしてカルガモの様です。
土埃や枯れ草がかなり付いていて、さらにアリがたかっています。一見状態悪く見えますが、羽は痛んでないように見えるので是非とも持って帰りたい。
近くでおば様達が立ち話をしているので、怪しまれないように回収を試みます。チャック付きポリ袋をリュックから取り出し、何事も無い様な顔をしながらささっと回収。
ばっちいので、翼の本体には触れないように袋に入れてチャックをして終了。周りに人が居なければ、回収前にもっとじっくり観察するのですが、やっぱり人の目は気になりますね。多分発見から回収まで、30秒位の作業かと思います。
ちなみに今回拾った翼はこの部分です。
掌骨から先の部分で、ニワトリで言えば手羽先ですね。ここには初列風切が生えています。
きっと、ネコなんかの哺乳類がカルガモを捕食する際に引きちぎったものと考えられます。猛禽であれば、この様な雑な事はせず、一本一本丁寧に羽を抜いていきます。
さて、今回はこんな風に回収したカルガモの翼を、標本にするまでの前処理を記事にしました。前中後編の三部構成でお送りしますよ。
仮洗浄
回収した翼は、少なくとも数日は道に放置されていたと思います。土埃が羽の間に多く入っています。そして、それ以上に小さなアリが沢山たかっていて、結構面倒な状態でした。
家に持ち帰って最初にしたのは、とにかくこの小さなアリを何とかする事でした。
バケツに水を張って翼を沈めてジャブジャブ。アリさん達が沢山水に浮いてきます。(アリさんごめん!)それと一緒に土埃も溶け出してバケツは茶色く濁っていきます。水を交換してジャブジャブを5〜6回繰り返して、アリがだいたい居なくなった所で仮洗浄は終了です。
この作業は家の外でやりました。アリが付いているので、家の中ではちょっと嫌ですね。
(アリに焦って処理したので写真なし!笑)
仮乾燥
ざっと洗った後はドライヤーで乾かします。
使うのはいたって普通のヘアドライヤーです。
温風で強風MAXにして、半乾き位になるまでゴーっと乾かします。途中、羽の間からアリさんが出てくるので、申し訳なく思いながら処理(!)していきます。
半乾きになったら、軽く羽の形を整えて2、3日自然乾燥させました。
拾った時よりだいぶましになりましたね。
このまま翼標本とする事も可能ですが、そこまで良い状態では無いので、やっぱりバラします。その模様は次回!
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参考文献
- 鳥のフィールドサイン観察ガイド、箕輪義隆、文一総合出版
- 原寸大写真図鑑 羽 増補改訂版、叶内拓哉・高田勝、文一総合出版
- 野鳥の羽ハンドブック、高田勝・叶内拓哉、文一総合出版
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