山で仕事中に拾った風切。
山で拾ったよく分からん羽。
沢沿いの森に落ちていて、光沢の無い黒い風切。多分、初列P1の辺り。
カワガラスっぽいのだけど、原寸大写真図鑑羽や羽根識別マニュアルにあるものよりもだいぶ長いので確信が持てない。
羽柄が妙に長いのも気になる所である。ご助言下さい。#林業しながら羽拾い pic.twitter.com/J04R2TVbBe
— 今泉ゆうじ|木こり/SKG羽のバックヤード/イマジサwebログ (@SkgFeather) September 8, 2022
見慣れないものだったので良く調べたり質問したりした所、どうやらアオバトの幼羽のようでした。
結論:アオバトの幼羽はアオバトの幼羽はかなり小さく、形が違う
アオバトの幼羽(初列風切)は成鳥の羽と比べて、長さが短く、幅が狭く、羽柄がやや長いという特徴があるようです。
この事実を知らないと全然違う種と勘違いしてしまうので要注意です。
私は最初、カワガラスなんじゃ無いかと思っていました。
成鳥の初列風切と大きさを比較
良く観察してみました。
全体が濃い灰色で、黒っぽい印象。
横から見ると全体がカーブしていて、上からみると緩やかなカーブ。
先端がナイフのような形状をしていることから初列風切と思われます。
また、欠刻が無く内弁と外弁の幅が同じようなので、内側のもの、P1〜P3のあたりじゃないでしょうか。
他の(成鳥と思われる)アオバトの初列風切と比較してみると、その違いは歴然です。
成鳥羽Aと比較すると、全長は約12mm違いました。率で言うと約11%短いです。
同様に幅は約12mmの差で、約52%も幅が狭い。
幅が半分程度なので全然別の種のような印象を受けます。
逆に羽柄は幼羽の方が約2mm長いです。約8%長い。
※1個体での比較なので、数値は目安として取り扱ってください。
羽図鑑や野鳥図鑑にはなかなか幼羽の情報は載って無いのですが、fetherbaseに幼鳥の羽標本がありましたので引用します。
出典元:featherbase.info(https://www.featherbase.info/jp/species/treron/sieboldii)を元に編集
この標本個体は面白い事にP1が成鳥羽で、P2より外側が幼羽のようです。
その違いが良くわかる標本です。
(幼羽と成鳥羽が混在しているのに、伸長中の羽が無いというのも興味深いです。)
縁がうっすらと黄緑色なのが特徴
今度は色を観察してみましょう。
一様に濃い灰色のようなのですが、背景色を変えてみると様子が変わります。
先端の縁(羽縁)を良く見ると、うっすらと黄緑色なのがわかります。
これは幼羽、成鳥羽問わず、アオバト全体に共通する特徴のようです。
アオバトの羽標本についてはこちらで詳しく書いていますので、良かったらどうぞ。
羽を調べる図鑑はこちらの2冊がおすすめです。
それぞれのブックレビューはこちらをどうぞ。
コメント
教えてください、「先端がナイフのような形状をしていることから初列風切」とのことですが、どういうナイフの形を意味しているのですか?日本刀?アーミーナイフ?料理包丁?